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瀧山の「なっとらん受験産業」
…まともな受験教育への提言

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連載コラム 瀧山の「なっとらん受験産業」…まともな受験教育への提言

第20回

中堅以下の私立学校経営者の社会的責任
Preparatory Schoolはもともと、アメリカでは名門大学進学のための私立高等学校である。イギリスではパブリックスクールに入るための準備教育する小学校である。目的がハッキリ、解りやすい。何のために高い授業料を払ってプライベート・スクールに行くのか。アメリカではプライベート・スクールに行ってるだけでステイタスがあるのである。日本では、一部の名門私立学校をのぞいて、公立高校に入れない生徒の受け皿的な高校として今の私立高等学校があるといってよい。公立高校の発表後、落ちたらどこどこの私立高校に行こうか、その下請け的高校にもランクがあって、下位競走をよぎなくさせられている。この汚名をつけられて何年たつのか。公立高校の全入の時代がそこまで来ているのである。経済的に貧しい生徒の教育の機会均等は公立高校が引き受ければいいのである。学力もつかない、躾もちゃんとしていない、一年に退学者が二桁もある学校もある。そういう私学経営者は私学補助が減らされると、教育の機会均等が奪われると声高らかに主張するのである。公立高校全入になると、私学補助は受益者負担が当たり前になる。最近の主な公立中高一貫校の競争率は、9.422倍である。一番高いのは千葉県立中学の27.06倍である。この数字を私学経営者はどうみるか。私は民間教育(私立学校・塾)のファンとしては、今や不安である。

中堅以下の自立出来ない私立高校・中学の就職先は:1.名門私大のパイロット校になるか 2.超特化したユニークな高校にするか 3.経営をギブアップするか
有名難関私立大学は付属高校までが、経営のテリトリーであった。今や、付属中学・付属小学校までそのテリトリーを広げてきた。最近では京都の同志社小学校がその最たるものである。同志社大学130年の歴史をへて、2006年に小学校開設。小学校から大学までなんと16年の一貫教育である。16年間の「ゆとり教育」を目出したのであろうか。いやそうではない。経営の安定化であろう。同志社なればのことである。中堅以下の自立出来ない高校はこの名門私大のパイロット校すなわち、M&A対象校でもある。以前のコラムで、高校の名門化は5年で出来る。大学は100年かかると言ったことがある。今、中堅と中堅以下の大学は303大学(私見)。

勉強しない遊び上手な学生のための大学、つまりコンビニ大学・トコロテン式大学に夢はないこれらの大学で定員割れ、あるいは近い将来定員割れの危機に直面するのは目に見えている。大学にステイタスもなければ、就職の機会も大きくは期待できない。ましてやこれらの大学の付属高校、付属中学に親は高い授業料を払わないのは当然のことである。
中堅以下の大学は少子化もあいまって、今後の将来に希望は持てない。単なる、文学部・経済学部・法学部・商学部等の学部では生き残れない。
学者の頭で再生できるとは思わない。
中堅以下の大学を持ってる高校は、名門大学のパイロット校にもなれない法規制がある。この際、夢のない大学を切って、高校に特化して5年計画で進学実績を出すためのドラスティックチェインジが必要である。

公立中高一環教育の脅威・・・塾のあり方・ターゲット学年・教育内容の見直し
公立中入試については、「受験競争が低年齢化しないように、学力テストは行わない」といってるようだが、図形や写真を見て、考える能力を試すのが中心のようだ。しかし、小学校の勉強だけでは先ず合格しない。千葉県立中学では「豆腐に7回包丁を入れてさいの目に切る場合、切り方の違いによって出来る個数をすべて答えよ」といった知識より知恵が必要な問題。日本文を読んで、その内容から具体策を何百字で書けといった、いわば大学入試の小論的なもの等々、場合によっては、私立中入試の難しい計算や膨大な暗記ものより難しい。塾は学校よりフットワークが軽い分だけ、対応が早い。特に小規模塾に公立中高一貫の中学入試対策の商品化を期待したい。今こそ小規模塾の存在感と実績を出してほしい。利益率より信頼される勉強方法で大規模塾と一線を画してもらいたい。おそろしい生徒を集めて、教育を投資家の具に帰する上場なんて時代錯誤であるといいたい。

CHANGE・・・プロを養成する単科高校へのChange・・・Yes, We can !
全国的に見ると、私立高校と公立高校の優劣は圧倒的に公立高校が優の座を占めている。地方では100%近い優位を公立高校が占めているのが現状である。今後、公立中高一貫が全国的に広がって「6ヵ年教育」が定番となると、中堅以下の私立高校は倒産の憂き目を見るのは確実である。さらに、昨今の経済情勢が追い討ちをかけている。大都会に於ける私立中高の6ヵ年の授業料は、学債や寄付金を除いても、一人約480万かかる。一方公立の中高であると、約140万と私立の3分の1以下で済む。親の学校選択の基準は、進学が一位であることも事実だが、一方で手に職的な考えを持っている親も多いことも事実である。私は進学だけが教育とは思わない。

進学よさようなら!
公立の進学校、私立の進学校は長い伝統を持っている。よほどの決意を持ってなければ、中堅高校を進学校にするのは至難の技である。同じ土俵での競走は今の中堅私立高校には、余力がないし、何よりも人材(教師)があるとは思えない。
この際、ドラスチックチェインジの道を探ってはどうか。その道のエキスパート育成を高校から鍛えてはどうか。たとえば・・・
福祉科、演劇科、ボランティア科、スポーツ科、音楽科、マスコミ科、作家養成科、料理科、絵画科、税理士科、コンピューター科、通訳養成科、自動車設計・整備士科、食料自給率のための農業科、国際金融科等。一般知識や趣味ではなく、プロを養成する手に職的な早期高等教育科の思考を早急に開始すべきであると思う。進学から離れた土俵での再生は将来差別化になると提案したい。